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2006年10月 7日 (土)

大時化!

東の風、風速13m/s 波の高さ4m 気温10℃ 天候は、荒れ模様で天気は雨!

久々の大時化になりそう、港を出て進路を南南西にむける。

まだ知床沖からはかなり離れているはずの低気圧がもうすでにこちらまで影響を及ぼし始める。

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自宅に帰ってから見た今日のニュースではサンマ漁船座礁で行方不明者が出た模様、今回のこの大時化は全国的に猛威を振るっている。

港を出港して約5分、船の左舷前方からドスンという鈍い大きな音と揺れ。

東からの高波が船の左舷に当たる音です。

船は左右に大きく傾きゆれ、操船がむずかしい。

真夜中の出港のため海上に出るとが見えづらい!

突然ドスンという音で船に波が当たるのを知るので、その波の高さも把握できない。

今日は早めに網を巻き上げ帰港の予定でいます。

何せ今回の低気圧は超大型でこれから先、知床沖にもっとも接近したときの予報は、最大瞬間風速30m/s以上、波の高さ9mとのこと。

こうなってからでは太刀打ちもできません。

また明日は漁休日なので沖には出ることが出来ず、今日のうちに網を巻き上げないと魚が傷み売り物にならない月曜日も出れないかも、大時化で網を傷める可能性もあり皆、必死。

漁場に入りホッケ網とスケソ網をそれぞれ1本づつ巻き帰港予定でしたが、同じ漁場の船団にいる2艘が時化のため出港を断念!

この網を月曜日まで巻かないでおけば、結果は見えている。

おそらく売り物は無くなり、また今回のこの時化で網も傷めると思う。

でも俺たちよりこの2艘は船体ひと回り小さく今回のこの時化では出港はキツイ!

俺と共に出てきた仲間船団の一人に無線で連絡をとる。

俺:「出港出来なかった2艘の網を巻き上げてやろうかとおもう」

仲間A:「了解、一人で2艘分は無理だべ、もう1艘の分は俺が巻くよ」

心強い仲間の返事に勇気を奮い大時化の中2艘でそれぞれ船団仲間の網を巻くことに。

そうこうしているうちに灯りが3つ近づいてくる。

先に港に向っていた3艘が俺の無線を聞いて戻って来てくれたようです。

仲間B「たけし、巻き終えるまで俺たちもそば付いているぞ」と仲間から無線がきた。

俺たちもこの時化のなか何時までも沖にいるわけにもいかない!

自分の網を巻き終えて直ぐその2艘の網を巻き始める。

すでに海上は、波風ともにその強さを増し長居は出来ない。

東からの大波が容赦無く船に当たる中、網巻き機の回転を上げ巻きだしていく。

巻き始めること約40分で俺も仲間(相棒)の船も無事網を巻き終えた。

俺たちの他にあと3艘の船が漁場に残ってくれて、巻き終えるまで時化の中待っていてくれたので無事に仲間の網が上がったことを告げる。

網を巻き終えたことをその3艘に無線で告げ5艘で、いざ港を目指す。

出てきたときは追い波で帰り(帰港)は向い波です。

大波のため船の速力を上げることは不可能!

帰り航海は出港時の波の高さを遥かに越える高波が前方から襲ってくる。

波に向うと、船が木の葉ように揺れ動き、立ち上がる。

5艘固まるようにしてエンジンの回転を下げ船の速力を落とし港に針路を合わす。

操船中も緊張が走る、外はまだ真っ暗闇、何処から波が襲ってくるのか予測出来ない。

普段の帰港に要する時間の倍以上掛けてなんとか無事5艘とも港に入る。

漁のほうは今一でしたが無事に網を巻き上げ帰港できたことにほっと胸を撫で下ろしています。

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コメント

サンマ漁の船に、被害が出ましたね。
中学生の頃、船宿のオヤジさんに、
「コッチから午後になると風が吹くから絶対いくなよ」と、念をおされたのに行ってしまい、えらい目にあったことがあります。
内水面のような姿から、一変する瞬間は恐いですね。

お気をつけて!!!

仲間とのチームワーク、そして漁師の執念を感じさせていただきました。
こういうご苦労も有って、我々の食卓においしい水産物が並ぶのだと再確認させていただきました。

☆みわひめこさん、こんばんは。

今回は少し緊張しましたね。
通り過ぎていく低気圧なら少しづつ凪ていくので我慢も出来ますが、向ってくる低気圧なので段々悪くなるいっぽうでした。

仲間船団はお互い出来る限り助け合います。
今は網も昔に比べ値段も高く、こちらの言い方で網一枚を1反と言うんですが、これを約20反繋ぎにして海に入れます。
これを全て大時化で失うと、大損害ですね。
網と魚と両方失うのは今の漁師の現状ではキツイです。

ちなみに1反約一万円ぐらい掛かり、それプラス魚の水揚げと、せ縄や浮きなどの全てを失う可能性もあります。

この仲間の網を俺だけじゃなく皆、心配していたんです。

☆ミノルさん。

サンマ漁船の事故俺もニュース見てました。
同じ漁師として他人事で無いです。
どこの漁師も無理しますからね、サラリーをもらう商売と違い沖に出てなんぼの世界ですから。

>「コッチから午後になると風が吹くから絶対いくなよ」と、念をおされたのに行ってしまい、えらい目にあったことがあります。

そのオヤジさんの言ってる風はおそらく山から吹き降ろす風ではないでしょうか。
この山から吹き降ろす通称おろしという風は、突風が多く水面が鏡のようなベタ凪を急に襲うもっとも厄介な恐い風です。

>お気をつけて!!!

気をつけて操業しますね、お心遣いありがとうございました。


ご無沙汰でした~
そしてお疲れ様でした!
たけしさんの船を見ているので
なお更に海での状況が
目に見えるようでした
これからも時化ることが多いいと
思いますが
安全に頑張ってください

☆釣ノリノリさん

こんばんは、お久しぶりです。
今日は少し緊張しましたね、仲間の網を巻き終えた頃は、もう海上は大時化で船が木の葉のようでした。
4m近い波をまともにくらうと船の中に海水(青波)が入ってきてました。

釧路も今はこの低気圧の影響が出ているのでは、明日も海のほうへ出かけるようでしたらどうか御気を付け下さい。

いつもエールをありがとうございます。

緊張感が伝わりました。
命懸けのお仕事ですね。
思わず手に汗握ってしまいました。
ご無事に帰港されて、なによりです。

お仲間の網の巻き上げ「たけしさん」の
心意気を感じました。
十勝でも今、雨+風です
 雨が上がっても何日か畑に入れなくとなります。

☆Biancoさん、こんばんは。

漁師も基本は安全第一ですよ、でもたまに海に勝負を挑まなければならない時も確かにありますね。

これが俺たちの仕事で仕方の無い事です。
やり方は違えど、どの商売も皆それぞれ命懸けでしょうね。

俺からみるとBiancoさんのブログを拝見する度頭がさがるおもいです。
俺も年老いた母が家に居りますが、とてもまね出来ません。

お体の調子はどうですか
朝晩の冷えが体にこたえる季節になってきましたね、風邪などにお気をつけて、どうかお体にご自愛くだされ。

ご無沙汰してすみません、また遊びに寄らせてもらいますね。

☆otoraさん、お晩です。

>お仲間の網の巻き上げ「たけしさん」の心意気を感じました。

これは俺が、たまたまその場面に居合わせた為でして、他の漁師仲間もみんな助け合いますね。

俺も仲間たちには何度もお世話になり迷惑も掛けているんですよ。

雨と風凄いですね、台風並み!
この雨では農家の皆さんも大変ですね、あまり畑仕事に悪影響が出ないことをお祈りします。

お互い自然相手の仕事ですから、お仕事の再はどうかお気をつけください。


金沢も時化てます。(たけしさんの所ほどではありませんが。。。)
漁師…普段はライバル同士ですが、何かトラブルがあるとみんなが助け合う。そんなみんな(漁師)が誇りでもあり大好きです。

時化てて船が沖にいる時、陸で待ってる家族は船を目にするまでかなり心配しますからね。
http://today.koufukumaru.jp/?eid=368171 
↑この時はホント心配でした。

人命第一で無理をせず頑張ってくださいねっ!
私、数年前に兄と慕う人がトラブった仲間の船のロープを上げに行って転覆し亡くなってしまったので…

☆光福丸の娘さん

漁師は、その日の無事をいつも感謝していますね、命懸けの商売だからこそ仲間を想う気持ちがいっそう強くなるのかも知れません。

>時化てて船が沖にいる時、陸で待ってる家族は船を目にするまでかなり心配しますからね。

こちらもですよ、沖にいて時化てくると陸にいる家族が心配してます。

>私、数年前に兄と慕う人がトラブった仲間の船のロープを上げに行って転覆し亡くなってしまったので…

なんだか辛いことを思い出させてしまいすみません。
俺たちも、過去に数多く仲間を海で失い気持ちがわかります。
昨晩まで一緒に呑んで騒いだ奴が今日は変り果てた姿になる、海を憎んだ事も何度もあります。

でも俺たちはこの海に助けられ生活しているのも事実、辛い過去をいつまでも背負っていても先に逝った奴らも喜ばないので普段はあまり考えません。

>http://today.koufukumaru.jp/?eid=368171

まだ拝見していません、コメントを先に書いています。
この後にそちらに飛んでみます、拝見したあとにまたコメントしようと思います。

光福丸の娘さん、そちらのご家族の安全も心からお祈りします。
辛い過去までお聞かせ下さり本当にありがとう。


たけしさん、こんばんは。
私が感じたこと、言いたいこと、もう皆さんがすべて書かれています。
昨日までの前線が北に移動して雨マーク、そしてサンマ漁船の事故、たけさんは大丈夫かな?と思っていました。
大変な作業、ほんとにお疲れさまでした。
皆さん、いいお仲間ですね。これも普段の生活からきているのでしょうね。
今の世の中、隣に住んでる人も知らないようではこんなふうに助け合うことなんて出来ませんもの。ある意味、羨ましい限りです。
明日(といっても今日ですが)休漁日とか。それでもやる事はいっぱいあるのでしょうね。体も少しは休めて下さいね。

今、ふと思ったのですが、不謹慎な質問ですみませんが、最近はどのチャンネルでも飲酒運転について特集を組んだりしていますけど、船は飲酒有りなのですか?
すみません、皆さん真面目なコメントなのに・・・

☆ノアさん、こんにちは。

助け合いの気持ち漁師はつよいです。
ちょっとの油断が命とりになる商売なので周りの船も常に気にしています。

飲酒運転は基本的にどんなものでもダメでしょうね、俺たちも次の日出港のときは深酒や遅くまでダラダラとは飲みませんね。

ただ沖には道路交通法のような、何PPM飲むと免許取り消しとか、検問とかは無いです。
夜寝る前に缶ビールを飲むくらいですね。
次の日休日の場合は大騒ぎします。

俺の場合船に船舶免許を持っている者があと二人乗っているのであまりひどいと変わってもらう手もありますが今のところお世話になったことはありません。

漁師の仕事は無事帰れる保障が無く皆、陸(おか)に上がると心残りを作らないよう騒ぎまくりますね。
俺も特別お堅いほうでもないです、ノアさんごめんなさいね。

こちらこそ、暗いお話をしてしまってすみません。。

人間生きていく上で早かれ遅かれ大切な人たちとの別れはいつか必ず来るんですから。
その時は悲しくてもいつまでもくよくよって感じは私にはありません。

私も海が大好きです。

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