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2006年10月22日 (日)

漁師も人の子

10月7日の記事「大時化」で俺と一緒に仲間の網を巻いてくれた奴を紹介しましょう。

この船頭は、普段自分で船の操舵室から出て自ら網巻き機(ドラム)の前に立ち網を巻いています。

Dscf0684

普段は優しく面倒見も良い奴で、俺の仲間(友人)の一人です。

あの時の大時化はもの凄く、波が山のようでしたが、俺と一緒にあの大時化のなか仲間の網を巻いてくれた勇気ある船頭でもあるんです。

でも普段は俺と一緒でお調子者で、この日もカメラを向けるとわざわざ網巻き機の回転を止め魚の掛かった網を俺のカメラに向け、笑顔で答えてくれています。

実はこの船頭は俺と同じ船団ではありません。

一つ沖の現場(漁場)で別の船団で漁をしています。

あの日、俺が仲間船団に無線で「仲間の網を巻いて行く」と話しているのを聞いていて他所の漁場からいち早く飛んできました。

まるで関係の無い他所の船団での話しを聞いて飛んできました。

Dscf0682_2

船団という枠を越え、全漁民としての枠で物事の判断をするコイツはホント良い奴です。

大型低気圧は、もうすぐそこまで来ており殆んどの船が港に避難して行くなか俺と仲間船団の無線を聞き、「俺にも手伝わせろ」と戻ってきた一人です。

正直、海はもう何の保障も出来ないほどの状態でした。

波は最高で6m近くまで立ち上がり、5トン未満船と呼ばれる俺たちの船型でこの海に残るには限界をとっくに越えていた。

Dscf0738_1

↑この画像は今回の時化のものではありません、違う日に時化の海での作業を撮ったもので、イメージが似ていたので使ってみました。(今回の大時化のときには写真を撮ることが出来ませんでした。)

本来なら仲間船団以外の船は、よほどのことがない限り真っ直ぐ港へ帰ります。

船団は違えど陸ではコイツとは遊び仲間というか仲良いです。

大時化のため出港出来なかった仲間の網は残る数あと2本となり、この2本とも俺が巻き上げて帰る予定でいました。

これを聞き入れたときに、コイツが一言!

「2本も巻き上げていたらお前の船がもたない」と言ってくれた。

正直俺もこの波を見て不安も少しあったのも事実。

でも命懸けの作業のとなるため、むやみに人に頼む訳にもいかずいたのが現状。

コイツが自ら、来てくれた時には嬉しかったね、俺の考えていたことも読み透かされていたようです。

俺とコイツと最終的に、もう3艘が大時化の中残ってくれて時化に果敢に挑む。

無事に仲間の網を巻き終え、5艘でかたまり港へ

レーダーの0.25マイルレンジに港の形が映ったときやっと安堵感が沸いてくる。

レーダーに映る陸から伸びる2本の直線は港がレーダーに映っているものです。

この二つの直線がぶつかる先にある隙間が港の出入り口で、その先に映る点は船です。

今、1艘の船が港の間口へ入ろうとしているところが映りこんでいる。

Dscf2010

無事港に入り、皆で(5艘の船頭)集まり最初に出た一言が

「恐かった!」

てなわけで、皆さんがお考えしているほど、またイメージしているほど漁師もカッコよくも勇気が有る訳でもないんです。

お恥ずかしい話ですが、俺をはじめこのとき残ってくれた全ての船頭が操舵室で足を震わせていた。

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コメント

こんばんは。

いかにもってお話で、何とも言えない、いい話です。
何気となく食べている、お魚、
いや、お肉でも、野菜でも、
いろんな事があって、初めてお口に入るのです。
この事を考えると、神妙になります。
といいながら、
結構贅沢してますが。。。。

アッシも喰い物作りのメンバーなんですがネ。

とかく、
生産者の顔が見えにくい事は事実です。

☆ミノルさん

どんな製品にも生産者の裏での苦労がありますね、お米でも電化製品でもその作業過程に一つ一つのドラマが生まれていることでしょう。

贅沢になりすぎた我々が今、一番知らなければいけないことかなのでしょう。
どんな物でも、魔法のように呪文一つでは出てきませんからね。

生産者の苦労というか、記事をかきながら、物の価値は俺も改めて反省しなければと思います。

わ~、(^-^)
なんか、かっこいいな~!、
(*^。^*)

☆こつさん

漁師も人の子です。
よくテレビの番組なので漁師は荒波に立ち向かうなどとカッコよく宣伝されますが、実際は足震えてます。

でも、仕事上命賭けなければならない場面は正直あります。

これは漁師に限っての事ではなくどの商売も一緒ですね。

皆、自分の仕事へのプライドがありそれがそれぞれの向上心につながると信じています。

カッコ付けすぎかもしれませんが、生産者のプライドと信じています。

板子一枚下は地獄と、昔から言われていますからね。

海で命を落とした人は限りなくいます。夫の死を自分の目で確認できないままお葬式をだした妻たちも知っています。

無理をなさらないでくださいねー。

このごろ、TVの天気予報で、北海道沖の等高線の込み合ウ発達した低気圧を見るたびに、たけしさまのことがまず頭に浮かびます。
当然といえば、当然ですが、海がしけてきても漁場に仕掛けた網を引き上げないといけないのですね。

☆ナベショーさん

いつもご心配をお掛けしてすみません。
秋は時化早いですね、大陸から次々と低気圧が渡ってきます。
秋の低気圧は、寒気をともなうので殆んどが北海道まで来る頃には、発達しています。
出港前から大時化のときは、命が惜しいので出ませんから安心してくだされ。

お話は変わりますが、走り1等級の値段が去年とあまり変わらず、HPも値下げしました。
計算して差額分を近いうちに送りますね。
1週間ぐらい前に値決めがきまったものですから、申し訳御座いませんでした。

☆なぎささん

漁師町では多い話ですね、羅臼もたくさんいます。
今は船も良くなり、気象情報も正確なのでだいぶ良くなりました。
昔は4.6(ヨンロク)5.10(ゴトウ)という羅臼での大時化があり、このときに何十人も亡くなりました。
4.6では80人以上が犠牲になりました。
どの船も陸までもう少しというところで次から次へと転覆していったのが陸で見守る家族や住民から見えたと聞いています。

お言葉に甘えまして、差額がたくさんだったら、知床の美味しい魚、例えばたけしさまの獲られたホッケの干物とか、、そういうのがうれしいなあ

お言葉に甘えまして、差額がたくさんだったら、知床の美味しい魚、例えばたけしさまの獲られたホッケの干物とか、、そういうのがうれしいなあ

☆ナベショーさん

今回は、それではホッケでお送りしますね。
いつも応援ありがとうございます。
また遊びに来て下され。

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